森林のつぶやき・・・

きっと5年前だったら
「女性」しかも年齢層が高い有識者中心の「業界内」では議論になったとしても、
世の中の主流的には「また言ってるよ」とか、「あの人のことだから、悪気はないんだし、まぁまぁ」「(忖度して言えねぇ…)」と、なんとなくやり過ごしていたであろう今回のオリパラ組織委員会 森元会長の「女性蔑視発言」。

見事に今回はやり過ごされずに、しっかり批判され、多方面からの議論になりました。

日本社会の「主流」、
男性の大企業のトップやメディア、
そしてお膝元の保守政党からも
きちんと「これは社会規範としてNGです」という、しっかりしたメッセージが寄せられたこともすごい!

 

「ジェンダー差別を無くそう」というメッセージを大学生が中心になり若い世代が発信していたこともすごい!

 

そして、今回はしっかり海外からのレッドカードが突きつけられ、国内でも受けとめられたということがすごい!
これも東京2020のレガシーなのか。(まだはじまってないけど)

そして企業側はすでに、ESG投資から、東京2020を機に加速したSDGs目標を達成していかねば生き残れないという流れになっていたこともあるのか。

「多様性と調和」がテーマのオリパラなのに、開催国の組織委員会トップの発言ということが議論の加速に繋がったので、そう言った意味では不幸中の幸いだったというか。

いずれにしろジェンダー平等への意識変化は前進したことを実感しました。

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まあ本件は、件の問題発言の「何が問題だったのか」を当のご本人や周囲がしっかり理解認識していなかったからなのか、世界からのバッシングや国内世論を読めずに、その後の本人や周囲の的外れな発言や逆ギレ、「辞任」が焦点になってしまって、「やめれば済む的」な幕引きや、対立の議論になってしまった部分は残念でした。

その後の密室での後継者選びや、ボランティアボイコット問題への対応など、とりあえず若者女性を後に据えておけば批判はかわせるだろうだの、さらに残念は加速の一途を辿り、混乱はまだまだ着地できないようなので、見守りたいと思います。

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いや、でもほんと、問題発言の第一報のニュースを読んだ途端にもう膝から崩れ落ち、
え?うそでしょ?
今言う?と。

しかも小学生もSDGsを学習して真剣に世界の状況や、ジェンダーについて学んでいる今なのに、五輪開催国の組織委員会トップの性差別発言。

しかも総理経験者。

いまだに日本の政治に裏から影響を与えているという人物。
信じられず、悲しく、恥ずかしく、もう日本を出ていきたくなるくらい、人間辞めたくなるくらいの衝撃でした。

 

これまで自分たちが市民活動やNPOで、
男女共同参画センターで、
会社の事業として、
そして自治体の審議会などで取り組んできた

「ジェンダー平等というのは男女の対立問題ではなく、誰にとっても生きやすい世の中をつくるために大切な『人としてのベースの概念』」なんだというのが、まだまだ伝わってなかったかという徒労感…

 

2020年発表の世界における日本の男女格差は153ヵ国中121位です。

「政治」分野での数値が圧倒的にひくく144位、
「経済」分野においても115位、
「教育」では前年65位から91位に大きく落ち、
「健康」は良いとしてもそれでも40位。

これが私達の置かれた「先進国」日本の現状です。
日本の政治・経済・教育界のリーダーが森元会長に見るような男性中心の価値観でやってきた結果です。
そして女性たちもその価値観を良しとしてきた結果です。

特に政治の世界が世代交代できないのは、いつまでもトップの地位にいたいという私欲なのか、能力でなくしがらみや年功序列?

もしくは人材がいないという理由にするなら、育成してこなかったっていうこと。

リーダーの仕事は、ビジョンを掲げて人を、未来を育てることです。

もっともっと政治や経済や教育分野のリーダーに多様性を取り入れないと、このまま本気で日本は終わってしまいます。

これを子どもたちや孫たち、(その先の世代は産まれないかもしれない)に引き継いで良いのでしょうか。

暮らす地域から、私たち一人ひとりがもうそろそろ自分の意志で動き、全体の利益を考えて変えていけば、きっと未来は変わるはず。

私はそう信じてます。